別れさせ屋・復縁屋業界は、残念ながら悪質業者が一定数存在します。よくある被害は、次のようなものです。
- 着手金の入金後に連絡が取れない
- 実働しているはずなのに報告が来ない
- そもそも実働していない(現場に出ていない)
- 説明と違う契約内容・追加請求をされる
そして最も重要なのは、依頼前ではなく依頼後に差が出るという点です。
契約前は丁寧でも、契約後に態度が変わる会社は少なくありません。
本記事では、依頼後に「失敗した」「騙された」と後悔しないために、悪質業者の典型手口と見抜き方をまとめます。
あわせて、優良会社の判断材料は「相談段階で見抜ける優良会社の選び方」も参照してください。
悪質業者を避けるためのチェックリスト(10項目)
以下のうち 3つ以上当てはまる場合は要注意、5つ以上なら依頼を見送る判断が安全です。
- 契約を急かす(「今すぐ」「枠が埋まる」「今日だけ」など)
- 成功率を断定する(「90%以上」「必ず成功」など根拠なく言い切る)
- 実働開始日が曖昧(入金後に「来週・再来週」など先延ばしが前提)
- 報告頻度・報告形式が決まっていない(週何回、何を、どう出すか言えない)
- 稼働体制が不明確(担当・調査員・工作員の役割分担や人数を説明できない)
- 回数契約で成功回数を提示(「◯回やれば成功」など矛盾した説明)
- 違法になり得る提案をする(住居侵入・窃盗・脅迫・ハニトラ強要など)
- 会社情報が不透明(住所の部屋番号なし/代表者名なし/探偵業届出番号なし等)
- 口コミ・評判の見せ方が不自然(ランキングサイト誘導、口コミ返信が雑、実態不明)
- 契約後の追加請求が前提(「途中で追加」「状況次第で別料金」ばかり強調)
重要:この業界は「契約前に丁寧、契約後に雑」が典型です。
契約後の運用(実働・報告・体制)を言語化できない会社は避けるのが鉄則です。
悪質業者の典型パターン
1)一人で運営している会社(実質ワンオペ)
別れさせ工作・復縁工作は、どれだけ優秀でも一人で成功させるのは現実的に困難です。
調査(張り込み・尾行)は基本的に**ツーマンセル(二人一組)**が前提で、対象にバレない運用をしなければなりません。
にもかかわらず、実質ワンオペ(あるいは人件費削減で単独稼働)をしている会社は、次のリスクが高まります。
- 尾行・張り込みの精度が落ちる
- 接触後の再接触で「同一人物が尾行」になりやすくバレる
- 稼働が回らず、報告・対応が遅れる/途絶える
見抜く方法(相談段階で可能)
- 電話相談を複数回行い、担当が毎回同じか確認する
- 「別の相談員にも代わってください」と依頼し反応を見る
- 人員体制(調査班・分析班・工作班)を具体的に聞き、曖昧なら要注意

2)一人で実働する契約は、成功より「発覚リスク」を上げる
「一人で現場に出る」前提の会社は、成功率以前に発覚リスクが跳ね上がります。
特に、接触後の動き(再接触・検証・フォロー)が必要な案件ほど、一人体制は破綻しやすいです。
3)SNSの個人請負(自称・工作屋・元工作員)に要注意
SNSには、個人で依頼を請け負う“自称別れさせ屋”が存在します。しかし個人間取引は、次の危険が大きくなります。
- 個人情報を握られ、脅迫・恐喝に発展するリスク
- 身元・実績・適法性が確認できない
- トラブル時に返金や責任追及が困難
過去には「ターゲットにバラす」と脅して逮捕された事案も報じられています。
個人請負は絶対に避けるべき領域です。
4)契約だけ急かす会社(入金後に先延ばし)
悪質業者に多いのが、契約前は急かすのに契約後は遅いパターンです。
- 「今契約しないと間に合わない」
- 「キャンペーン中で今ならお得」
- 「今月の枠が埋まる」
こう言いながら、入金後は
「人員調整で来週(再来週)から」
「状況が落ち着いたら」
と、実働を先延ばしにします。
依頼は会社都合ではなく、依頼者側の状況で決断するものです。
不安を煽って判断力を奪う会社は要注意です。
5)「契約後の実働は当たり前」を理解していない会社
契約書を交わし、着手金を支払った以上、実働や進捗報告は当然です。
しかし業界には「契約を取るまでが仕事」という会社が存在し、入金後は次の状態になりがちです。
- 実働報告がない/薄い
- 連絡頻度が極端に落ちる
- 内容が具体性に欠ける
- 依頼者が催促しないと動かない
「当たり前が当たり前ではない」会社は、依頼後に問題化します。
6)契約前だけ“心配するフリ”をする会社
契約前は親身で連絡も多いのに、契約後は
「忙しい」
「今立て込んでいる」
と、態度が変わる会社は典型例です。
本来、別れさせ屋・復縁屋は、依頼者から“協力依頼”を受け、必要な情報を整理し、実働へ進めるサービスです。
営業電話のように“頻繁に不安を煽って迫る”時点で、目的がズレています。
老舗ほど安心とは限らない(この業界の落とし穴)
一般業界の常識「老舗=安心」が、当てはまらないケースがあります。
業界イメージを悪くした原因の一部が、運営歴の長い会社の不適切運営であることも珍しくありません。
よくある“老舗系”の特徴
- ランキングサイトを自作し、上位に自社を置く
- ステマ・誘導アカウント(元工作員・現依頼者を装う)
- メディア露出で信頼性を演出する
- 担当者交代(出世・退職)を理由に責任回避
- 実働より集客に注力している
老舗かどうかではなく、**「契約後に何をしている会社か」**が判断軸です。
集客手口にも注意(ランキング・ステマ・メディア)
悪質業者は、実働ではなく集客導線の最適化に注力します。
- ランキングサイトで優良を装う
- X(旧Twitter)などでDM誘導
- LINE登録者数の“見せ方”を盛る
- メディア露出を信頼の根拠に使う
見た目の権威付けより、**契約後の運用ルール(報告頻度・稼働体制・進捗の証明)**を確認してください。

報告が“自作自演”の会社がある
信じがたい話ですが、業界には次のようなケースもあります。
- 報告書がテンプレで具体性がない
- 写真の使い回し(日時改ざんが疑われる)
- 「機材設置」などを理由に実働を誇張する
- 依頼者が確認できないことを悪用し追加請求
対策として、契約前に
- 報告方法(頻度・形式・根拠の出し方)
- 稼働の証明(稼働記録の扱い)
- 進捗判断の基準
を明文化することが重要です。
相談時に必ず聞くべき質問テンプレ
下記をそのままメモして、電話・面談で読み上げてください。
回答が曖昧/濁す/話を逸らす場合は危険信号です。
A. 体制・役割(人員の実態チェック)
- 調査班・分析・工作の役割分担はどうなっていますか?(誰が何を担当?)
- 初動の調査は何名体制で行いますか?(ツーマンセルか/単独か)
- 担当者が不在の時、誰が引き継ぎますか?(連絡窓口は固定?複数?)
B. 実働の開始・進め方(先延ばし対策)
- 契約後、最初の実働は最短いつですか?日付で答えてください。
- 実働までに必要な準備と、その所要日数は?(調査→接触→再接触の流れ)
- 状況が変わった場合、方針変更はどう判断し、誰が決めますか?(合意プロセス)
C. 報告の品質(“動いているフリ”を見抜く)
- 報告頻度は週何回ですか?(例:週2回+臨時報告 等)
- 報告の中身は何が必ず入りますか?(稼働日時/実施内容/結果/次アクション)
- 報告方法は?(電話・メール・LINEなど)
- 遅延や空振りが起きた場合、報告はどう扱いますか?(当日報告/翌日まで等)
D. 契約・費用(追加請求の地雷を潰す)
- 追加費用が発生する条件を、具体例で全部教えてください。
- 飲食代・交通費など実費の扱いは?上限はありますか?
- 契約期間中に担当者が変わる可能性は?変わる場合の理由と手続きは?
- 中途解約・クーリングオフの説明を、契約書の該当箇所で示してください。
E. 禁止事項(違法提案・誇大広告を排除)
- 違法になり得る行為(住居侵入・窃盗・脅迫等)は一切しない、と明言できますか?
- 「成功率◯%」は何を根拠にしていますか?母数・定義・算出方法は?
- “必ず成功”や“絶対復縁”の断定はしない方針ですか?
F. 最終確認(この一問で本音が出ます)
- 契約後に依頼者が一番不満になりやすい点は何ですか?それをどう防いでいますか?
期待する回答例:
「報告頻度」「実働までのタイムライン」「体制(複数人)」「追加費用の条件」が、言葉ではなく運用として整理されていること。
HP表記が怪しい会社は避ける(最低限の確認項目)
探偵業として調査を行うなら、適法運営の前提が必要です。HPで最低限、次を確認してください。
- 住所が明記されている(部屋番号の有無も含む)
- 代表者名が明記されている
- 探偵業の届出番号/標識が掲載されている
- 会社情報(法人・個人、資本金表記の整合性)が自然
表記が曖昧な会社ほど、トラブル時の責任も曖昧になりがちです。
「できます」と言い切る会社ほど危ない(回数契約の矛盾)
工作は人の心理を扱うため、成功までに必要な回数を断定することはできません。
にもかかわらず、
- 「◯回で成功します」
- 「成功率90%以上」
- 「必ず復縁できます」
と断定する会社は、錯誤(誤認)を利用して契約させる典型です。
回数契約は特に、依頼者の目的が「成功」なのに、業者の目的が「回数消化」になりやすい構造があります。
違法行為を提案する会社は論外(依頼者側もリスク)
別れさせ・復縁の依頼そのものが直ちに違法という話ではありませんが、違法な手段(住居侵入・窃盗・脅迫等)を提案する会社は危険です。
違法提案に同意して進めれば、依頼者側も共犯リスクを負う可能性があります。
「犯罪を手段にする会社」は、必ず避けてください。
クーリングオフや特商法の説明を曖昧にする会社に注意
リモート面談等を悪用し、クーリングオフの説明を曖昧にする業者もいます。
契約書にクーリングオフや特商法表記がない/説明が雑、という時点で要注意です。
悪質業者の被害に遭わないために最重要な考え方
悪質業者に騙されないために重要なのは、次の2点です。
1)「契約前」ではなく「契約後の運用」を確認する
- いつ、誰が、何を、どう報告するのか
- 稼働体制(人数・役割)
- トラブル時の対応(遅延・空振り・方針変更)
2)依頼者は「協力者」、サービス対象は「ターゲット」
本質はここです。
依頼者に“保証”を並べて選ばせる会社は、依頼者を顧客化しすぎており、ターゲットへの実働が薄くなる傾向があります。
もし被害に遭ったかもしれないと感じたら
「おかしい」と思った時点で、できるだけ早く動くべきです。
時間が経つほど、証拠も整理も難しくなり、取り返しがつかない状況(発覚・関係悪化)に進むことがあります。





