別れさせ屋ジースタイル

平成30年8月29日、別れさせ屋と依頼者の裁判が大阪地方裁判所(大阪地裁)で行われました。結果から書きますと大阪地裁の判決により、別れさせ屋側の主張が通り、依頼者が敗訴となる結果になりました。

訴訟内容と大阪地裁の判決

探偵探偵社が交際している男女を別れさせる「別れさせ工作」が公序良俗に反するかどうかが争われた訴訟の控訴審判決が29日、大阪地裁であった。山地修裁判長は、元交際相手の女性を男性と別れさせるために用いた方法は「女性工作員が男性と食事をする」などで、関係者間の自由な意思で行われる範囲にとどまると指摘、公序良俗には反しないと判断した。

依頼人が着手金の一部と成功報酬を支払わないとして探偵探偵社が提訴。依頼人側は「別れさせるために行った手段は公序良俗に反するため契約は無効」などと主張していたが、地裁は、未払い分の70万円を支払うよう依頼人に命じた1審大阪簡裁判決を支持し、依頼人の控訴を棄却した。(接触は食事のみ、自由意志…「別れさせ屋」に適法判決 大阪地裁控訴審引用:産経新聞)

訴訟内容の要約

訴訟内容を要約すると、別れさせ工作が成功し、契約で定められた成功報酬を請求した別れさせ屋に対して、依頼者が「公序良俗に反する契約なので契約は無効だ。」と主張しました。成功報酬の支払いを拒否された別れさせ屋が訴訟を起こしました。

「別れさせ屋」という名称が社会を騒がせました

「別れさせ屋」という名称でなければ、支払いを拒んだ方への訴訟なので珍しいものではないと思います。しかし、この訴訟は「別れさせ屋」という名称と、別れさせ工作が成功したのに成功報酬を支払ってもらえない。という事も合わせて社会を騒がせました。

Twitterでも多数の呟きが…

ミヤネ屋で別れさせ屋の裁判が取り上げられてたけど、ほんと意味不明で笑った。探偵さんもいい迷惑だよな。 あと、別れさせ屋って、離婚したい人がやるもんだと思ってたから、元カノとその今彼を別れさせたいって依頼もあるなんて思わなかった。こんなこと頼む男は気持ち悪いし、復縁はないと思う。

別れさせ屋の裁判を起こした男は小さすぎる。元彼女の彼氏と女性工作員が性的関係を持っても元彼女が性的関係を迫られて訳じゃ無いし結局お金を支払うのが惜しくなったんでしょう。どっちにしろこんな小さな男の所に元彼女が戻って来る訳無い。

別れさせ屋依頼して支払いしやんっつって裁判てどんだけクズなんびびるわ

別れさせ屋の工作で恋人を失った女性(A子さん)による訴えではなく、A子さんとの復縁を望んで依頼した男性(B男さん)が、支払いでトラブって探偵社におこされた裁判とのこと。

なるほど。今回のケースでは、公序良俗に反するとまでは言えない、との大阪地裁の判断。どのレベルで公序良俗に反し、契約が無効となってしまうのか…。今後も気になるところ。接触は食事のみ、自由意志…「別れさせ屋」に適法判決(引用:ツイッター)

依頼者への非難の声が多数

成功報酬を拒否した依頼者への非難の声が多数ありました。別れさせ屋は依頼を契約通りに遂行して成功したのですから当然と言えば当然です。依頼者の目論見は、「別れさせ屋」が訴訟をしても勝てないと思っていたのかもしれませんが、別れさせ屋が何かの法律を犯した訳ではないので、依頼者が非難されるのは当然でした。

この事件には多くの弁護士が見解を述べています。

別れさせ屋への依頼が公序良俗に反するか?という裁判は、多くのメディアで報道された事もあり、裁判所の判断について様々な見解が述べられました。法律家である弁護士も別れさせ屋への依頼が公序良俗に反するか?という見解をブログで述べている方が多くいらっしゃいます。

別れさせ工作が公序良俗以前に依頼者の常識がなさすぎる裁判でした。

別れさせ工作の契約が違法となれば契約が無効になり、依頼者の主張が通ります。しかし、自ら依頼して、依頼後に発生する料金を支払わないのはおかしいと考えるのは当然です。※参考記事:常識がない方の依頼は当然断ります。

飲食店で食事を食べた後にクレームをつけて食事代を支払わない人を擁護する方は通常存在しません。依頼前に料金説明をされて納得して契約を交わした状態で、契約を履行した後に「料金を払いたくない!!」と言えば、世間から非難されるのも当然です。裁判所も一般常識に照らし合わせて判決を出した形になります。

依頼者が支払いを拒否した理由

依頼者男性は、復縁出来なくて料金を支払わない。という行動に出ました。しかし、別れさせ屋と契約した内容は、対象女性を別れさせる契約だったのです。依頼者が復縁出来ないのは別れさせ屋とは関係のない話なので、依頼者が支払いをしなくて良い理由にはなりません。

外食をして、納得いかない味だから料金を支払わない食い逃げと同じ事をしているという認識はなかったようです。

支払いを拒否した依頼者への批判はネット上に多数

サービスを利用する前に料金説明をされていたら、料金を支払うのは当然です。その常識が欠けている男性だから女性にフラれたのではないか?という推測もネット上に飛び交いました。

常識がない男性と交際を求める女性はいません。フラれるのも当たり前、別れさせたところで復縁出来ないのも当然となり、支払いを拒否した依頼者を肯定する声はネットには全く無かったのです。

大阪地裁の判断、別れさせ工作は公序良俗に反するのか?

大阪地裁の判断で、別れさせ工作は公序良俗に反するのか?という点は、別れさせ屋も世間も注目する部分でした。大阪地裁は別れさせ工作は公序良俗に反しないという結論を述べています。

大阪地裁が下した説明

「女性工作員が男性と食事をする」などで、関係者間の自由な意思で行われる範囲にとどまると指摘、公序良俗には反しないと判断した。

女性工作員が男性対象者と食事をしても公序良俗に反しない、という判断になります。関係者間の自由な意思で行われる範囲に留まるという指摘は、「別れさせ屋」に限らず、キャバクラやガールズバーなどの水商売の女性の行動を制限する事にもなりかねないので当然と言えば当然の結論になります。※参考記事:別れさせ屋に依頼すると違法になると不安を抱えている方へ

浮気は法律で裁けない

例えば、男性に交際している女性がいるのを知っていて男性と仲良くなり、浮気した女性が法律に触れる事はありません。自由恋愛を制限出来る法律は存在しないのです。

別れる、別れないは、当人の自由な意思で決定される事

浮気相手と肉体関係があって別れる、別れないを決めるのは当事者になります。肉体関係が無くても浮気と判断して別れる決断をする方もいらっしゃいます。恋人同士の浮気、二股は恋人間で責められるものであり、法律で裁く事が出来ないのです。

既婚者はその限りではない

既婚者は婚姻届という契約書を交わしているので、その限りではありません。不倫は家庭崩壊を目論む行為になる為、公序良俗に反する事になります。

大阪地裁の判決は妥当

大阪地裁は自由恋愛という原則の下に行われた別れさせ工作は適法という判断を下しました。自由恋愛の原則の下の判断の為、何も不服を申し立てる要素がないのです。

別れさせ屋が非難されるはずもなく、契約時に締結した契約書に沿った料金の支払いを拒否した依頼者が非難される結果となり、公序良俗に反する事もないので、契約を履行しなかった依頼者が、「別れさせ屋」という名称と、訴訟された内容によってマスコミを騒がしてしまい、マスコミにもネット上でも依頼者は非難される結果となり裁判は幕を閉じました。

別れさせ工作は公序良俗に反しない事を裁判所からお墨付きをもらった形

大阪地裁の下した判決は、別れさせ屋にとって別れさせ工作のイメージを払拭させる判決になりました。裁判所から別れさせ屋は違法行為をしていない。とお墨付きをもらった訳です。※参考記事:法律に反する違法な方法を提案致しません。

探偵業界では別れさせ工作が違法な事をしている。と主張している探偵社もあります。裁判所の判断を否定する探偵社が、「別れさせ工作は違法だ。」と虚偽の情報を流布しているので、それに惑わされた方々は悩みを抱えても解消出来ない方もいらっしゃいます。※参考記事:離婚、別れさせ、復縁の悩みをまずは一度ご相談下さい。

別れさせ工作が公序良俗に反するか公序良俗に反しないかは裁判所が決める事であって探偵社が決める事ではありません。裁判官でもない探偵社が、別れさせ工作が公序良俗に反するとか、違法だと声をあげる事自体がおかしな事なのです。

しかし、判例には大きなポイントがあります。お気づきですか?

大阪地裁の別れさせ屋裁判で注目された点は、別れさせ工作が公序良俗に反する契約なのか?について争われた裁判でした。婚姻関係を破綻に誘う名目での契約をすれば公序良俗に反する契約に該当する為、民法に抵触するので違法行為と看做されます。

そもそも公序良俗って?

公序良俗とは財産的秩序に反する行為、倫理的秩序に反する行為、自由や人権を害する行為を示す事であり、民法でも『公の秩序または善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする』とされています。

公序良俗に反するのは婚姻関係を破綻に誘うものは該当し、婚姻関係にある人との不倫は婚姻関係を破綻に誘うものと看做されます。

既婚者が対象になると公序良俗に反する事も?

交際関係があった場合は、不貞行為や貞操義務違反が成立しませんから別れさせ工作は違法行為とは看做されません。婚姻関係の破綻を目的として異性の工作員を接触させるハニートラップ等の依頼を請ける別れさせ屋は法律に反する契約を交わしている事になりますのでご注意下さい。※参考記事:娘夫婦を離婚させる工作方法がハニートラップではダメな理由

別れさせ屋への依頼は違法ではない事を記したニュース記事

別れさせ屋への依頼は公序良俗に反する事ではなく依頼自体は違法ではない事を大阪地裁は判例として残しました。

探偵探偵社が男女間の交際を終わらせるよう仕掛ける「別れさせ契約」が公序良俗に反し無効かどうかが争われた訴訟の控訴審判決で、大阪地裁(佐藤哲治裁判長)は9日、「契約が公序良俗違反とはいえない」と判断し、大阪市の探偵社が求めた報酬など約97万円全額の支払いを依頼人の女性に命じた。
判決などによると、依頼人の女性は昨年9月、好意を寄せる男性の交際相手と考えていた女性を調査対象とする契約を探偵社と締結。
男性工作員が対象女性と連絡先を交換すれば着手金90万円を、別れさせるのに成功した場合には報酬45万円を払う内容だった。
探偵社は調査員や費用を使って対象女性の尾行や張り込みをして自宅と通勤ルートを確認。
自ら工作員として声を掛け、約10日後に偶然を装って再会を演出した。食事の誘いに応じて、電話番号も交換。
その後も無料通信アプリLINE(ライン)でデートを約束し、この女性はフェイスブックに出会いを喜ぶ書き込みをしていた。
その後、対象女性と好意を寄せる男性が実際には交際していないと依頼人自身が気付き、工作の中止を探偵社に求めた。
佐藤裁判長は契約内容を「倫理的な非難の余地は十分ある」として公序良俗違反に当たるかを検討。
対象の女性らが独身だった上、工作の過程で性的関係を持つなどの方法も予定していなかったと指摘し、実際に関係が終了するかはターゲットの意思次第で、探偵社が別れさせる目的を達成できる可能性が高いともいえない」と判断、今回の例は該当しないと結論付けた。( 引用元:産経新聞 )

別れさせ工作の依頼を請ける案件を別れさせ屋は選びます。

婚姻関係を破綻に誘う別れさせ工作の依頼をしたいという問い合わせは多いのですが、別れさせ屋は違法行為を請け負いません。違法行為に該当する案件を承らないのですから、別れさせ屋は法律に基いた案件を選び、依頼を選ばなければなりません。

ストーカーと別れたい、暴力団の彼氏と娘を別れさせたい、DV旦那と別れたい等、被害者を救う案件に対して違法だという人はいませんよね?※参考記事:別れさせ屋は悪?依頼者様の置かれている状況で善悪を判断して下さい。

別れさせ屋というネーミングから良いイメージを持たない人は多いのですが、別れさせ屋は法律に反する事をする探偵社ではなく本当に困っている人を救う業務を請け負う探偵会社なのです。※参考記事:別れさせ屋や復縁屋への悪いイメージをお持ちの方へ

大阪地裁の裁判で別れさせ屋への依頼は違法ではない事をご理解下さい

大阪地裁の裁判で非難されたのは、別れさせ屋ではなく依頼者になります。「別れさせ屋」という名称なので、グレーなイメージを別れさせ屋がもたれてしまう事もあります。しかし、大阪地裁にも別れさせ工作は認められ、クリーンな事をしている探偵社という理解を深めて頂けば、より有効に別れさせ屋をご利用して頂けるかと思います。

大阪地裁の判決に別れさせ屋としての見解は?

大阪地裁の判決に、別れさせ屋は、何も違法行為をしてないのですから当然である。としか成りません。別れさせ屋は名称から違法行為をしていると判断される事や、契約書を交わしても稼働しない老舗の別れさせ屋があったので、イメージを悪くさせています。

過去には殺人事件を起こした別れさせ屋もありましたが、何も違法行為をせずに、合法な方法で別れさせ工作を進めて依頼者様から感謝の言葉を頂いても、「別れさせ屋」という名称だけでマスコミに取り上げられてしまいます。

イメージで別れさせ屋は違法な事をしているんじゃないか?と考える人は多いのですが、契約して稼働して成功させた。という当然の事をして、裁判で敗訴するおかしな事が法治国家日本でまかり通る事はありません。

企業は法律に基づいて運営していますし、法律に基づいて運営している企業側がサービスを利用して料金を支払わない食い逃げの様な人を庇う判決を裁判所が出す事はありません。

依頼前に公序良俗に反する。と考えていたならサービスを受けなければ良かったのです。サービスを利用して料金を踏み倒そうとする依頼者は詐欺罪に該当します。詐欺罪に該当する様な人を法律は守ってはくれませんし、当然の結果という見解を持つ以外にありません。