Facebook、X(旧Twitter)、InstagramなどのSNSや、マッチングアプリ・婚活アプリで出会いを求める人は年々増えています。
一方で、オンラインでの出会いが一般化するほど、恋愛感情を利用した詐欺(国際ロマンス詐欺) も巧妙化し、被害報告が後を絶ちません。
この記事では、国際ロマンス詐欺の典型的な手口、被害パターン、見分け方、そして「もしかして…」と思ったときの対処法を分かりやすく解説します。
国際ロマンス詐欺が増えた背景
国際ロマンス詐欺が増えた要因として、次のような環境変化が挙げられます。
- SNSやアプリでの出会いが“当たり前”になり、オンライン交流への心理的ハードルが下がった
- 「会ったことがない相手」との関係でも恋愛が成立し得る時代になり、警戒心が薄れやすい
- 詐欺側がテンプレではなく、会話・写真・ストーリーを用意して“恋愛関係”を演出するようになった
SNSは便利なツールですが、利便性が上がるほど、悪用の余地も広がります。
国際ロマンス詐欺の典型的な手口(よくある被害パターン)
国際ロマンス詐欺は、ざっくり言うと 「恋愛感情を作り、金銭や個人情報を引き出す」 詐欺です。
代表的なパターンは次の通りです。
1)短期間で距離を詰め、強い愛情表現を連発する
- 「I love you」「君しかいない」「運命だ」
- 付き合う前から将来の話(結婚・同居)をする
2)会えない理由を“もっともらしく”作る
- 軍人・医師・ジャーナリスト・海外勤務など「会えない職業設定」
- 事故・病気・トラブルなど「今だけ困っている状況」
3)最終的に“送金”へ誘導する
- 手術費、渡航費、荷物の関税、ビザ費用、家族の治療費
- 「少しだけ」「すぐ返す」から始まり、額が膨らむ
重要ポイント:「金銭の話が出た時点で危険度は一気に上がる」
恋愛の形は自由ですが、“お金のお願い”が絡んだ瞬間に構造が変わります。
実際にあった相談例(国際ロマンス詐欺が疑われるケース)
復縁屋ジースタイルにも、国際ロマンス詐欺が疑われる相談が寄せられることがあります。
以下はプライバシー保護のため要点のみ整理した事例です。
相談概要
- 相談者:20代半ば女性
- 相手:日本在住とされる外国人男性(20代後半)
- 出会い:SNS
経緯(要点)
- 交際後、相手が既婚であることが判明(「ビザ目的の結婚」などの説明)
- 「離婚するまで待ってほしい」などの言葉で関係継続
- その後、土産代・生活費・物件費など名目を変えて繰り返し送金要求
- 妊娠を告げると激高し、連絡遮断(SNSブロック、電話番号変更など)
このようなケースでは、恋愛関係の体裁を取りながらも、実態としては 金銭目的の搾取構造 になっている可能性が高いと考えられます。
なぜ恋愛中は詐欺を見抜きにくいのか
国際ロマンス詐欺が厄介なのは、被害者が「判断力がない」からではありません。
むしろ、次の心理が自然に起こるためです。
- 好きになった相手を信じたい
- 疑う行為自体がつらい
- “特別な出会い”だと思いたい(運命・奇跡という物語に寄りやすい)
- 相手が優しく言葉をくれるほど、現実の違和感を見ないようになる
いわゆる「恋は盲目」は、誰にでも起こり得ます。
詐欺はこの心理を利用し、少しずつ境界線(お金・個人情報・行動)を越えさせます。
SNSやマッチングアプリが悪いわけではない(ただし注意点はある)
SNSやアプリで出会って結婚や交際に発展している人は確かにいます。
一方で、同じツールを使って 悪意ある人物が近づいてくる のも事実です。
つまり、問題は「SNSで出会ったこと」ではなく、
信頼形成が不十分な段階で、相手の話を“確定情報”として受け取ってしまうこと にあります。
国際ロマンス詐欺の見分け方チェックリスト(疑うべきサイン)
以下に当てはまるほど、詐欺の可能性が高まります。
- まだ会っていないのに、愛情表現・結婚話が極端に早い
- 身分証・職業・所属を示す“それっぽい画像”を送ってくる(真偽確認できない)
- 会う約束をすると、事故・病気・任務などで毎回流れる
- お金の話が出る(送金、ギフトカード、暗号資産、立替など)
- 「誰にも言わないで」「今だけ」「今日中」など秘密・緊急性を強調する
- 連絡手段が限定的(通話拒否、ビデオ通話拒否、会話が不自然)
- 話が矛盾しても、甘い言葉で押し切ってくる
特に 送金要求が出た時点で“恋愛”ではなく“取引”の疑い を最優先で考えるべきです。
もし被害が疑われる場合に、今すぐやるべきこと
- 追加送金を止める(最優先)
- 連絡履歴・送金履歴・相手のプロフィール等を保存(スクショ含む)
- 相手の要求に応じず、会話を引き延ばしすぎない
- 可能なら第三者(家族・友人・専門機関)に状況を共有する
- 被害が確定/濃厚なら、警察や消費生活センター等へ相談・被害申告を検討
「恥ずかしい」「自分が悪い気がする」と感じてしまいがちですが、
詐欺は心理操作で判断を鈍らせるため、早期相談が重要です。
国際ロマンス詐欺か判断が難しいときは、第三者視点で整理することが重要
国際ロマンス詐欺は、本人が恋愛感情の渦中にいるほど、違和感を言語化できません。
そのため、「相手の発言」「時系列」「金銭要求の理由」を整理し、第三者視点で構造を見ることで、現実が見えてくることがあります。
復縁屋ジースタイルでは、恋愛トラブル相談の中で、
国際ロマンス詐欺が疑われるケースに対し、状況整理と注意喚起 を行い、必要に応じて適切な相談先(被害申告等)を案内しています。
まとめ:SNSの恋愛は否定しない。ただ“確認できない情報”に人生を預けない
SNSは出会いの手段として有効です。
しかし、オンラインでは「会った」「確認した」「裏が取れた」が不足しやすく、
そこを突くのが国際ロマンス詐欺です。
- 強い愛情表現
- 会えない設定
- 金銭の話
この3点が揃い始めたら、まず立ち止まってください。
早い段階で相談し、被害を未然に止めることが最も重要です。




